iPhoneのマイナンバーカード、同人イベントの年齢確認に使える説【本名を隠してエロ本を買おう】
年齢制限のある同人誌等を頒布する際、身分証などを提示して年齢確認をする必要があるイベントが多いと思います。
厳格に運用しているジャンルやイベントの場合、身分証を忘れてしまったら目の前で貴重な戦利品を逃すという痛恨の事態になりかねません。
しかし、そんな時に「iPhoneのマイナンバーカード」があれば、大人向けの本のための年齢確認に使えるかも…?と思い至り試してみました。
iPhoneのマイナンバーカードとは
その名の通りiPhoneに内蔵できるマイナンバーカードです。Apple Wallet内に保存され、Face IDやTouch IDなどの生体認証を用いて様々な場面で利用することができます。物理カードを持ち歩かなくても医療機関でマイナ保険証として利用できるので、本当に便利な世の中になったなと感じます。
実は誰でも使える「対面確認アプリ」
「マイナンバーカード対面確認アプリ」は、デジタル庁が提供しているアプリで、店舗や窓口でマイナンバーカード内に格納されている情報を読み取るために使うものです。2025年8月より、iOS版「対面確認アプリ」が「iPhoneのマイナンバーカード」の読み取りに対応しました。
てっきり、なんらかの事業者・店舗や役所の方が使うためのものだとばかり思っていたのですが、実は何の登録も必要無く誰でも使えるということを知りました。もしiPhoneを持っていれば、あなたも、今App Storeからダウンロードしてすぐに使うことができます。
試してみたンゴ
iPhoneのマイナンバーカードを利用している友人()に協力してもらい、「対面確認アプリ」での年齢確認のデモンストレーションをしてみました。
インストールしたらまず物理カードと「iPhoneのマイナンバーカード」のどちらを読み取るかを選ばされます。今回はカードを忘れたというシチュエーションを想定しているので、iPhoneの方を選びます。
すると、取得する情報の範囲を選択する画面が現れます。

不必要な個人情報を取らないようにスコープを絞ることができるようになっているの、かなり偉いですよね。
例えばお酒を販売していいかどうかというシチュエーションの場合、一番上の「20歳以上未満の確認」を使うと、シンプルに20歳以上か未満かの判定結果のみが表示されます。
同人イベでえっちな本を頒布する場合は18歳以上かどうかの判断が必要になるため、ここでは2つ目の「年齢の確認」を選択します。
読み取り受付状態の画面になったら、相手の「iPhoneのマイナンバーカード」をタッチします。上部にリップルマークが表示されているので、UI的にはSquareなどのTap To Payと同じAPIを使っていそうな印象を受けました。


iPhoneをかざすと、

マイナンバーカードの所有者側のiPhoneに、情報提供の許可を行うダイアログが表示されます。この段階になれば、もうiPhone同士を離しても問題なく相互に通信されます。
サイドボタンをダブルクリックし、Face IDの認証を行うと読み取り完了です。
結果は……!?

見事、読み取り成功!
マイナ所有者の年齢と、マイナンバーカード内に保存されていた証明写真のモノクロ画像が表示されました(※ここではいらすとやで代替)。
物理カードより便利で安全
ご覧のように、思った以上に手軽に年齢確認をすることが出来ました。何なら、物理カードよりもはるかに安全です。
物理カードには住所や性別や臓器提供意志、そして何よりも本名などといった、単にエロ本を売るには特に必要のない情報がびっしりと印字されており、今回紹介した方法ならそうした情報を取らずに年齢だけを得ることができるからです。
これで、別に知らなくてもよかったネッ友の本名や住所を、うっかり知ってしまうこともありません。
また、物理カードの場合は生年月日が印字されているだけなので、その当日の日付から逆算して18歳を超えているかの判断が(一日の最初に基準日を確認しておく準備が)必要ですが、この方法なら端的に年齢の結果のみが表示されるので、判断が非常にスムーズでわかりやすいです。
利用にあたって必要な準備は以下のみです。
- 【サークル側】「対面確認アプリ」をiPhoneに入れる
- 【一般参加者側】「iPhoneのマイナンバーカード」を設定する
サークル側の方は、「あっ今日身分証忘れてしまって……」という方がいたら、一縷の望みにかけて「iPhoneにマイナンバーカード入れてたりしませんか?」と聞いてみましょう。あなたが魂を込めて作ったドスケベブックを、目の前の同志に届けることができます。そう、マイナ対面確認アプリがあればね。
「マイナ対面確認アプリ」はAndroid版も提供されていますが、2025年12月現在は物理カードの読み取りに限られ、「iPhoneのマイナンバーカード」の読み取りには対応していません。
またAndroid向けには「スマホ用電子証明書搭載サービス」が提供されており、医療機関やコンビニのコピー機などで利用することはできますが、身分証的に利用できる機能はまだ提供されていません。しかし2026年秋頃には「Androidのマイナンバーカード」としてウォレットアプリに搭載できるようになるらしいので、そのうちAndroidユーザーも救われることでしょう。
つまり2025年12月現在は、iPhone同士の年齢確認しかできないため、iPhoneを持っていない場合は従来どおり物理的な身分証明書での年齢確認が必要になります。
それでも「対面確認アプリ」は非常に体験が良く、セキュアで、令和の時代にあるべき姿の身分証明手段という感じがしたので、同人イベントはもちろん社会の様々な場面で浸透して使われてほしいなと思います。
ちなみに私の評論サークル「モモツキ桃源郷」はこれまで年齢制限のある本を頒布したことがなく、今後対面確認アプリを使うことは多分ありません。
しかし個人的には買う方については死ぬほどありますので、C107とかでこれ使ってるサークルがいたらいいなぁーと思います。